一宮は全国にいくつあるのか
ひとつの数字では答えられません。 数え方によって75にも、109にも、120にもなります。 どれかが正しくて、ほかが間違っているわけではありません。 何を数えているかが違うのです。
- 旧国の数
- 75
- 巡拝会の一覧図
- 109
- 当サイトの掲載
- 120
- 一宮が確定していない国
- 26
数え方1:国の数で数える — 75
一宮は国ごとに「その国でいちばん格の高い神社」とされたものです。 ですから「国がいくつあるか」で数えるのが、いちばん素直な数えかたです。 当サイトは75の国を立てています。
ただしこの75には、令制国ではないものが混ざっています。 北海道・琉球(沖縄)は、律令の時代に国が置かれた土地ではありません。 近代以降に一宮を称するようになった社があるため、当サイトでは国に準じる枠として立てています。
数え方2:巡拝会の一覧図で数える — 109社
全国一の宮巡拝会が出している 『全国一の宮神社所在地』(平成30年5月・改訂版 第4版)という一覧図があります。 一宮を巡る人が実際に使っている名簿で、当サイトの掲載120社のうち109社がこれに載っています。
国の数(75)より多いのは、ひとつの国に複数の社が載っているからです。
数え方3:当サイトの掲載で数える — 120社
当サイトは上の109社に、参考掲載11社を加えています。 かつて一宮とされた社、社自身が一宮を称している社、関連する古社などです。
参考掲載は「現在の一宮である」という意味ではありません。 一覧図に載っていないことを各ページに明記し、なぜ載せているかの理由も書いています。 一宮を巡ることが目的なら、参考掲載の社は外して回ってください。
数え方4:社殿をまとめて数える — 112社
ひとつの神社が、いくつもの社殿に分かれていることがあります。 諏訪大社は上社本宮・上社前宮・下社春宮・下社秋宮の4宮でひとつの神社です。 雄山神社も峰本社・中宮祈願殿・里宮前立社壇の3社、 若狭彦神社と若狭姫神社も上社・下社の関係にあります。
当サイトはそれぞれの社殿を別ページにしています。行く先が物理的に別だからです。 しかし神社として数えるなら112社になります。
なぜ数が割れるのか
26の国では、どの社が一宮か決まっていません
一宮は朝廷が決めた制度ではありません。 その国でいちばんに参拝される社が、自然にそう呼ばれるようになったものです。 ですから任命状のような文書がありません。
結果として、ひとつの国で複数の社が一宮を称している国が26国あります。 こうした社を論社(ろんしゃ)といいます。 当サイトはどれかを選びません。全部を載せて、 どの社が何を根拠に一宮と呼ばれているかを国ごとに書いています。
- 摂津国2社
- 河内国2社
- 伊勢国2社
- 志摩国2社
- 尾張国2社
- 遠江国2社
- 相模国2社
- 武蔵国3社
- 安房国2社
- 下野国2社
- 陸奥国4社
- 越中国6社
- 越後国3社
- 但馬国2社
- 出雲国2社
- 隠岐国2社
- 備前国3社
- 備後国2社
- 紀伊国3社
- 阿波国4社
- 筑前国2社
- 豊後国2社
- 肥前国2社
- 薩摩国2社
- 壱岐国2社
- 対馬国2社
2社あわせて1つの一宮、という国もあります
山城国は、 どちらが一宮かを争っているのではなく、2社あわせて一宮です。 京都府が賀茂別雷神社について「賀茂御祖神社とともに山城国一之宮となった」と書いています。 論社とは性格がまったく違うので、当サイトでは分けて扱っています。
一宮が1社もない県が、ひとつだけあります
当サイトの掲載120社は、46の都道府県に散らばっています。 47のうち46ですから、1県だけ一宮がありません。秋田県です。
秋田県の大部分は出羽国でしたが、 出羽国の一宮とされる鳥海山大物忌神社は 山形県側にあります。鳥海山は山形と秋田の県境にそびえる山で、 口ノ宮(里宮)が吹浦と蕨岡のどちらも山形県遊佐町にあるためです。
旧国と都道府県の範囲が一致しないことが、いちばんはっきり出ている例です。
国によって、社の数がずいぶん違います
| 1国あたりの社数 | 国の数 |
|---|---|
| 1社だけ | 44国 |
| 2社 | 23国 |
| 3社 | 4国 |
| 4社 | 3国 |
| 6社 | 1国(越中国) |
越中国の6社が最多です。雄山神社が3社に分かれていることと、 高瀬神社・射水神社・氣多神社がいずれも一宮を称していることが重なっています。
当サイトの立場
「一宮は全国に◯社です」と言い切ることはしません。 言い切れるほど単純ではないからです。
代わりに、どの数がどの数え方から出たのかを書きます。 そして各社のページに、その社が何を根拠に一宮と呼ばれているかを6段階で示しています。 自治体や県神社庁が公的に記載しているのか、巡拝会の一覧図だけなのか、社が自ら称しているのか。 根拠の強さは社によって違います。
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